フルタイムで復帰するママが7割! 柔軟な働き方を支える秘訣は?

 国内最大級のデジタルマーケティング会社である株式会社電通デジタル。同社では多様な人材が自分らしく働き、最大限にパフォーマンスを発揮できる環境をつくるためにさまざまな取り組みを実施しています。
今回は、社内制度や環境整備を担う人事部 労務管理グループの立花 哲さんと総務部 西野 理子さんに、
「伝統ある電通グループ企業の一員として、社員のライフステージや時流に合わせて柔軟な働き方ができる点が魅力です」と語る理由についてお伺いしました。

パパ・ママ社員を支える充実した制度

ー御社の事業内容を教えてください。
立花さん:弊社は、

  • データとテクノロジーを駆使した次世代マーケティングの戦略策定・実行
  • 基盤となるITプラットフォームの設計・構築
  • クライアントの事業革新を支援するDXコンサルティング

などのサービスを提供する国内最大級のデジタルマーケティング会社です。
国内外のプラットフォーマー各社との緊密なパートナーシップのもと、高度な専門性と統合力により、クライアントの事業成長に貢献しています。

ー働きやすい環境への取り組みについてお聞かせください。
立花さん:パパ・ママ社員が活用できる制度をいくつかご紹介します(一部、全社員向けの制度/施策あり)。

  • 短時間勤務制度(小学6年生終了時まで)
  • 在宅勤務制度
  • フレックスタイム制度
  • 遠隔地勤務制度(ただし事由がある場合のみ)
  • 特定積立休暇(自身の病気、家族の介護・看護に利用可)
  • ベビーシッター利用補助制度
  • その他福利厚生(育児サービスなど)

このほかにも、働き方や休暇、出産・育児・介護を支える制度など、社員を支えるさまざまな制度があります。

ー社内での反応はいかがですか?
立花さん:多くはポジティブな反応が多いと同時に、今後もより良い制度を導入してほしいという声もありますね。
ただ、働くパパ・ママに向けた制度を拡充する際には、パパ・ママ以外の社員にもメリットがある制度を取り入れるといったバランスを重視しています。
新しい制度の導入にあたっては、社員にヒアリングをして具体的な内容を固めていくという進め方をしています。

「多様な人材が自分らしく働き、最大限にパフォーマンスを発揮できる」

ー有志による社内プロジェクトも活発だそうですね。
西野さん:はい。電通デジタルでは「DE&I Initiative」というDE&I(ダイバーシティ エクイティ&インクルージョン)を推進しているプロジェクトチームがあります。
男性も、女性も、パパも、ママも、障がいをもつ方も、外国人も、LGBTQも含めた多様な人材が等しく自分らしく働き、最大限にパフォーマンスを発揮できる環境をつくるべく取り組んでいます。
その中で、働くパパ・ママに向けた施策として

  • パパママ相談窓口の設置
  • パパ育休取得者やグローバル国籍のママに取材し、ダイバーシティロールモデルの記事作成
  • ベビーシッター制度や育休取得

などを推進しています。
このプロジェクトについては、社内の有志メンバーが集まってできたチームなのですが、チーム以外にも社内の各部署から「DE&Iに関するこんな施策をしたい!」「こんなことをしてはどうか」という声が自発的にあがっています。

ープロジェクトから生まれた成果として、その他にどのようなものがありますか?
西野さん:「✳︎アンコンシャスバイアス研修」があります。
「良かれと思って言ったことが差別に繋がっていた」
「私はママだから管理職はできないだろう」
といったいわゆる『見えない偏見』を払拭するための研修です。
管理職以上を対象に研修を開始しました。
さらに、外部から著名な女性リーダーをお呼びして、女性のキャリア形成に関する研修も予定しており、将来的には女性管理職の比率改善などにも繋げていければと考えています。
このような研修を通じて、まずは「気付き」を得てもらう活動を行っています。

ー昨今、『アンコンシャスバイアス』は大きなトピックのひとつですよね。西野さんもご経験はありますか?
西野さん:私自身も子を持つ親として「出張がある仕事は無理」だと思っていましたが、別部署のママが出張をしていると知り、自分自身にも『アンコンシャスバイアス』があると気がつきました。
✳︎アンコンシャスバイアスとは  見えない偏見のこと

ー今後の課題は?
西野さん:リモートワークが働き方の主体となったことで、チームだけでなくパパ・ママ同士の交流もなかなかできなくなっている点です。
近々、横のつながりを作るためのリモートパパ・ママ懇親会などを企画中です!

ー横のつながりを意識して作られているのですね。
立花さん:コロナ禍で社員同士の横のつながりを作ることが難しくなっているという背景があります。
育休を取得したパパにインタビューした際に、
「コロナ禍で外部のシッターサービスなどを使うことに抵抗がある」
「自分たちだけでやらないといけない」
と感じている実態があるとわかりました。

パパの育休取得率は3割「どんどん育休を取ってほしい」

ー男性の育休取得率について教えてください。
立花さん:弊社では、パパになった男性の約3割が育休を取得しています。
厚生労働省の発表によると、2020年度の父親の育休取得率は12.65%です※。2倍以上の取得率になりますね。
※厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r02.html

ーパパの育休取得期間は?
立花さん:1〜2週間ほど取得する方が多いですね。半年〜1年間取られる方もいます。

ー育休を取得したパパの感想は?
西野さん:育休を取得したパパ数名にインタビューしたところ「育休を取る前は不安だったけど、取って良かった。周囲にもどんどん育休を取って欲しい。」という意見がほとんどでした。

ママ社員のうち7〜8割がフルタイムで復帰

ー総じて、働くパパ・ママにとってどのような会社だと思いますか?
西野さん:働きやすい環境が整っていると思います。
社員の声を吸い上げやすい仕組みが整っていますし、社員の声に対するフットワークの軽さも実感しています。
ママ社員からも「在宅勤務×フレックスという働き方は、ママにぴったりです」という声をよく聞きます。

立花さん:弊社ではコロナ前から、勤務時間と勤務場所に捉われない働き方を推進していこうと、制度や仕組みを整えてきました。

その結果、育休を取得したママ社員のうち7〜8割がフルタイム勤務での復帰となっています。
フレックスタイム制度などを有効活用することにより「時短である必要がない」と感じるママが多いのだと思います。
一人ひとりに合った柔軟な働き方を選択でき、会社としてもきちんと成り立っている。パパ育休の取得率といった定量面からも「働きやすさ」が実現できている会社だと思います。
これからも、社員のパフォーマンスを最大限に引き出せる環境づくりを目指し、取り組みを続けていければと思います。

ー素晴らしいですね! 本日はありがとうございました。

編集後記

2016年に創業し、現在は電通グループ随一の成長率を誇る電通デジタル。
社員の平均年齢も若いということもあり今は独身の方が多いそうですが、働くパパ・ママの働きやすさにもしっかりと寄り添う姿が印象的でした。
2022年4月には育児・介護休業法が改正されました。男性の育休取得率向上に注目が集まる中で、高い育休取得率を誇る点も働きやすい企業であることがわかりますね。
 
個人的には、フルタイムで復帰するママが多いということに驚きました!
時短勤務という働き方も一つの選択肢ではありますが、保育園の加点やお給料面、なにより「もっと働きたい」という想いからフルタイムを希望するママもいるはず。
フレックス×在宅勤務という働き方は、ママの仕事の選択肢やキャリアアップの可能性を広げられる組み合わせだと感じました。