「音声×テクノロジーでワクワクする社会をつくる」をミッションに、音声プラットフォームサービスを展開する株式会社Voicy。ママユーザーも多く、使ったことがあるという方も多いのではないでしょうか? 今回は、Voicy初の産休育休を取得した高沢さんにお話を伺いました。育休中に感じたスタートアップならではの不安や、社内のロールモデルとして「仕事も育児もハッピーでいたい」という想いを語っていただきました。
目次
株式会社Voicyについて
ー御社の事業内容を教えてください。
株式会社Voicyは、音声市場・ボイステック業界のリーディングカンパニーです。音声プラットフォーム「Voicy」の開発・運営を中心に、音声で企業のコミュニケーション課題の解決を行うブランドソリューションや、音声コンテンツの企画制作や音声イベントの企画運営、「声の社内報」などクローズドコミュニケーションサービスといった事業を行っています。
「音声×テクノロジーでワクワクする社会をつくる」をミッションに掲げ、音声と技術で人と情報のあり方を変えて、人々の生活をより豊かにする未来をつくっています。
➖高沢さんがVoicyに入社したきっかけは?
Voicyのファンコミュニティに所属していた際に、会社の人やサービス作りへの興味関心が深まったことがきっかけです。世の中にないサービスをつくっているスタートアップ企業であることと、ユーザーを喜ばせることを何よりも大事にしているところに魅力を感じて応募しました。
当時はIT系の大企業に勤めていましたが、未知なる世界に挑戦してみようと思ってVoicyに飛び込む決意をしました。
ー現在の高沢さんの業務内容を教えてください。
プロダクトのグロース施策を担当しています。どうやったらより多くのリスナーにサービスを使ってもらえるか? を日々考えています。
具体的には、アプリの通知機能の活用やSNSの運用施策などを行っています。Voicyにはとても魅力的なコンテンツが集まっていますので、それらのコンテンツをユーザーに届け、リスナーの皆さんに喜んでもらうと同時により多くの方にサービスを使ってもらうための効果的な方法を日々探っています。
ママ・パパが働きやすい環境への取り組み
ー御社の働きやすい環境への取り組みについて教えてください。
フレックスタイム制やリモートワーク制度を取り入れていることはもちろん、オンラインでもアウトプットや成果が下がらないよう「社員参加型組織開発チーム」の活動を取り入れています。
全社員のなかから挙手制で参加者をつのり、チームに分かれ、よりよい組織状態をつくるための活動をさまざまな形で行なっています。
ー具体的な活動内容を教えていただけますか?
例えば、部署を超えたコミュニケーションを促進するチームでは、定期的に「シャッフルランチ」や「コーヒータイム」を設けて積極的に所属部署をまたぐ会話を促しています。
また、音声を活用したイベントを行うチームでは、自社サービス「声の社内報」を活用してメンバーのひととなりがわかるようなコンテンツを毎週放送しています。
その他にも「行動指針の浸透」や「MTGの改善」「リファラル採用」など多くのチームが存在しますが、こういった活動には、全社員の約7割が参加しています。
ー社内の反応はいかがですか?
自分たちの力で組織状態の向上を目指し行動しているため、「気持ちよく働けている」という声が多く届いています。
ー今後の課題はありますか?
急成長にチャレンジするスタートアップとして、まだまだ制度が整っていない部分もあるため、今後もひとつずつ取り組んでいく方針です。
フレックス×リモート勤務のメリットは?
ー高沢さんの現在の働き方を教えてください。
フレックス制度とリモート勤務を活用し、フルタイムの8時間勤務で働いています。私の平均的な勤務時間は朝8時〜17時です。オフィスには、週2日出社しています。
コアタイムが11時〜16時なので、メンバーによっては朝型と夜型に分かれますが、子育てしているメンバーは私のように朝型の人が多いですね。
ー現在の働き方のメリットについて教えてください。
メリットは、フレックス制度とリモート勤務日を活用することで、フルタイムでの勤務が可能になっている点です。
もともと全社員が利用している制度ですが、私は「18時以降は子育ての時間」と決めているので、朝型に勤務時間をシフトしています。
また、子どもが熱を出して保育園に行けなくても、リモート勤務で業務を止めずに働くことができており、ありがたいと感じています。
Voicy初の産休・育休取得! 私のキャリア、大丈夫?
ー高沢さんは、Voicy初の産休育休取得者だそうですね。育休を取得してどう感じられましたか?
正直、スタートアップで1年もお休みをいただくなんておこがましいと思っていたのですが、結果的には育児に集中することができ、子どもとじっくり向き合う幸せな時間を過ごすことができました。
お休みをいただけたことには感謝していますが、メンバーとの交流がなくなったことで、半年くらい経ったころから寂しさを感じていました。
ーそうなんですね。早く仕事に復帰したかったのでしょうか?
はい。子どもと向き合う時間は楽しかったのですが、「仕事がしたい」という気持ちとの折り合いが大変でしたね。
スタートアップ企業では、様々なことが早いスピードで進んでいきますので「自分だけ置いて行かれてしまうのでは」「成長できていないのでは」という考えに襲われ、自分の今後のキャリアに不安を感じたこともありました。
ーすごくわかります。育休中に、なにか取り組んでいたことはありますか?
時間があるうちに、復帰したらできないようなことをやってみたいと思ってインスタグラムをがんばりました! 結果、個人アカウントでフォロワーを1万人まで増やしました。
育休復帰後は、Voicy公式アカウントの運営を担当しています。
ー育休中の取り組みが、復帰後のお仕事にしっかり生かされているんですね!
他にも、先ほどお話しした毎週金曜日に社員が行っている生放送番組「声の社内報」に出演した社内メンバーに向けてコメントを送るなどして、育休中に入社した新メンバーのキャッチアップやコミュニケーションを積極的に行っていました。
従来のWebや紙の社内報ですと、一方的なコミュニケーションになりがちですが「声の社内報」だとインタラクティブなコミュニケーションが可能になります。
会ったことがない新メンバーと「声」で繋がっていたことで、初対面でも「かおりん」と呼んでもらえるような関係性を構築できました。
この「声の社内報」は、企業様向けサービスとしても提供しています。
「社内メンター制度」が不安な気持ちを解消してくれた
➖復帰後に苦労したことはありますか?
1つ目は、自分の体調管理です。「子どもは保育園に行くとすぐ熱を出す」と聞いて身構えていましたが、意外と子どもの方はケロッとしていて、最初は私の方が何回も熱を出して体調を崩していました。
2つ目は、メンバーとの関係性の構築です。育休から復帰したら社員数は倍に増え、会社全体の半分が知らないメンバーになっていました。業務を円滑に進めるためにも、気軽に相談し合える関係性の構築がなかなか進んでいないことに課題を感じています。
3つ目は、メンバーとのコミュニケーション不足です。私は朝8時から勤務しているのですが、メンバーによっては11時に始業する人もいます。勤務時間のズレから、コミュニケーションが不足してしまうことは今も課題に感じています。
➖そのような不安や悩みを、どのように解消しているのでしょうか?
育休から復帰後に始まった「社内メンター制度」を活用しています。
勤務時間が短くなった分、社員メンバーとの雑談や飲み会などのコミュニケーションが不足していましたし、育休中からキャリアに関する不安が大きかったので、ずっと誰かに相談したいと思っていました。
私の気持ちを受けとめてくれるメンターと話す機会ができたことで、いろいろなことに前向きに取り組めるようになりました。
➖高沢さんのメンターはどんな方ですか?
経営企画やコンテンツ運用に携わる女性リーダーです。今後のキャリアについて相談したかったので、社会人経験が豊富な女性のリーダーを希望しました。人事部が私の希望に合わせて適切なメンバーを調整してくれました。
➖具体的には、どのような相談をしていますか?
今後のキャリアや組織変革、マネジメントなど、これからチャレンジしたいことだけではなく、仕事をする上で不安に感じていることも全て素直に話しています。
メンターにじっくりと話を聞いてもらえることで、安心して働くことができていると感じます。
両立のために、お掃除代行や時短家電を積極的に活用
➖仕事と育児を両立するために、外部サービスや家電を取り入れていますか?
自治体が運営する「シルバー人材センター」にお願いして、週一回、家のお掃除をお願いしています。
以前は夫と分担していたのですが、お互いに仕事で疲れてケンカっぽくなることがあったので、そういうのはなるべく取り除いていこうということで頼んでいます。民間の掃除代行会社の半額くらいでお願いできますよ!
家電に関しても、ルンバ、ドラム式洗濯乾燥機への買い換え、食洗機の導入など、みんなが良いという時短家電は積極的に取り入れています。
➖育児で大切にしていることは?
頑張りすぎないことと、できるだけ笑顔でいることを大切にしています。
例えば、子どもはまだ1歳なので食べ物を投げることもありますが、決して悪気があるわけではないので「怒っても仕方がない」と考えて楽しく過ごすことを優先しています。
ー素晴らしいです! 子育てしていることで、仕事にプラスになったことは?
Voicyにはママユーザーが多いので、同じママとしての目線を得られたのは良かったと思います。
「子どもを持ちながら幸せに働くママ」のロールモデルに
ー高沢さんの「理想の働き方」について教えてください。
楽しく仕事をしながら、子育てにおいてもハッピーでいられることが一番大切だと思っています。仕事と育児のバランスを保てるようなやり方を模索しています。
他の働くママさんは「週1日は延長保育を使う/ベビーシッターを利用する」といった工夫で仕事時間を確保しているのを知り、会社から補助も出るので、これから自分に合ったやり方を模索したいですね。
ー子育ては続きますが、今後のご自身のキャリアをどのように考えていらっしゃいますか?
プロダクトマネージャーとしてのスキルアップもしたいし、ゆくゆくはマネジメントも経験してみたいと考えています。
子育てもキャリアも欲張りにどちらも理想を叶えたいと思っているので、もっと戦略的に生きていきたいです!
また、社内で初めて産休育休を取得した私の働き方や今後のキャリアは、若手の女性社員にとっては選択肢の1つとして見えていると思います。「子どもを持ちながら幸せに働く」ということをやってみたかったので、「こんな働き方を選べるよ」という姿をロールモデルの一つとして体現できたらいいですね。
子育てをしているとどうしても仕事に使える時間が減ってしまい、仕事における貢献や成長を感じにくくなることもあると思います。
ただ、スタートアップで産休育休を取得している女性社長がでてきているのを見ていると、両立させるためにいろんなやり方があると思えます。
あまり悲観的にならずに、自分ができること・やりたいことと素直に向き合って、人生を楽しく駆け抜けていきたいです。
ー本日はありがとうございました!
編集後記
取材の際、広報を担当されている小出さんにも同席いただきました。高沢さんが回答に困っていらっしゃる時に、優しくアシストされていたりととても自然で心地の良い関係を築いていらっしゃるのを感じました。
リモートワーク下でもオフィスにいる時と変わらない関係性を築けてるのは、よりよい組織運営に真剣に取り組まれている成果なのだと思います。
大きな目標をかかげ、唯一無二のサービスを展開するVoicy、新米ママの視点も加わり今後も、ますますファンが増えていく予感です!
職種 プロダクトマネージャー
お子さんの年齢 1歳6ヶ月
居住地 東京都
勤務形態 フルタイム・フレックスあり