「会計とITの融合により業務を変革する」というビジョンを掲げ、中小企業のバックオフィス業務の効率化や業務アプリ開発を手がける大幸パートナーズ株式会社。同社では、積極的に子育て人材を採用しているそう。「子育てを経験したことで、子どもに伴うイレギュラーなことは想定内として対応できるようになりました」。そう話す代表の五十嵐俊さんのもとでは多くの子育てママが働いています。今回は、提供するサービスや子育て中でも無理なく働ける社内風土についてお聞きしました!
目次
業務をデザインする大幸パートナーズ株式会社
ーさっそくですが御社の事業内容を教えてください
弊社は、「中小企業の力になりたい」との思いで2020年に設立しました。「会計」と「IT」を強みに、freeeやkintoneといったクラウドを使ったサービスを提案していましたが、現在ではスマレジ(※1)をベースとしたアプリ開発も行っています。
※1 スマレジ‥‥スマホやタブレットを利用したクラウド型のPOSレジシステム(販売管理システム)のこと。コストがかからず手軽に導入できることから、小売店や飲食店などで多く利用されている
ー開発した主なアプリについて詳しくお聞かせください
提供している主なサービスについては、以下になります。
Cieeean
スマレジの特徴をそのまま活用しながら、クリーニング業界特有のタグ管理や預かり伝票に対応したアプリ
セイキューン
さまざまな請求管理業務の効率化を実現するアプリ
アグリーン
直売所や道の駅などの小売店で、生産者が委託販売を行うときに必要な情報やバーコードアプリなどをスマレジと連動することができる産直アプリ
スマキーン
スマレジの取引データをkintoneに連携するアプリ
スマレジの売掛金をfreeeに連携するアプリ
スマレジの取引データを利用し、freeeで売上金の請求書作成や入金管理などが効率化できるアプリ
ありがたいことに、「Cleeean」と「アグリーン」は、スマレジが主催しているアプリコンテストで数ある中から大賞を頂くことが出来ました。中小企業はそれぞれの業界で課題を抱えています。そこで、スマレジと連動させたアプリ開発を行い、低コストで業務の効率化ができるようサポートしています。
アプリ開発のきっかけはクリーニング店ならではの課題
ーなぜ中小企業に着目したのでしょうか
私は前職でサラリーマンとして企業に所属していたのですが、実は父が中小企業の経営者をしていたんです。そこで、父の会社を手伝うことになったのですが、そこで目の当たりにしたのは多くの経営資源がない中小企業ならではの課題でした。特に、バックオフィス業務は昔からのやり方が常態化し、無用な作業が発生していました。これは、ほかの会社でも同じ問題を抱えているのではないかと思ったんです。
ーアプリの開発は、あるクリーニング店との出会いからだったそうですね
はい。クリーニング業界の方と出会ったのは本当に偶然でした。その方は、クリーニングの外回りでも使えるレジを希望していたんです。ですが、クリーニングのレジは高価で特殊なため、既存のスマレジのサービスだけでは対応できなくて。ならば、特化したアプリを開発しようというのがアプリ開発に着手したきっかけです。燃料費高騰や昨今のクリーニング利用者の減少など厳しい状態が続くクリーニング業界ですが、「Cleeean」を利用することで低コストで新しいPOSレジの導入が可能になりました。
子育て中の人は優秀な方が多いと感じる
ーアプリ開発をしていますが、社内にはSEがいらっしゃらないとお聞きしました…!
そうなんです(笑)。弊社には4人のメンバーが所属していますが、SEはひとりもいません。私たちは中小企業の方からヒアリングを行い、企画や外部設計した上で、開発はベンダーさんにお願いしています。「スマレジの売掛金をfreeeに連携するアプリ」に関しては、(はたママprojectを運営している)シンプルメーカーさんのSES※2を利用して作っていただきました。
※2 SES ‥‥システムエンジニアリングサービスの略。シンプルメーカーでは、リモートサービスという名前でママエンジニアを中心にテレワーク環境でシステムエンジニアのリソースを提供しています。
https://www.simplemaker.com/service/
ーそうだったんですね。御社では子育て人材を積極的に採用しているそうですね
弊社は私を含め、3人が子育て中です。また、シンプルメーカーさんからは4名のママ社員の方にSESとして業務に携わっていただいています。基本的にフルリモートで仕事ができますし、時間も場所も選ばないので子育て中でも働きやすい環境だと思います。
ー五十嵐様自身もおふたりのお子さまのパパなんですね
はい。4歳と2歳の子どもがいます。可愛いですが、やはり大変です(笑)今更ながら、子育てをしながら仕事をこなしている女性は本当にすごいなと感じますね。
私自身も育児をしていて、子どもに関する突発的なことに多く遭遇してきました。なので、一緒に働いている子育て中のママさんに急なお休みなどが発生しても、想定内として捉えられるようになりました。お互いがそういった状況を理解し合えることで、働きやすい社内風土が作られていくのかなと思っています。
子育て中の突発的なことは想定内として考える
ー子育て人材を採用して良かったなと思うことを教えてください。また、課題などはありますか
子育て中の方はコミュニケーション能力が高い人が多いですし、一生懸命取り組んでくれる優秀な方ばかりです。お互いに感謝しながら働ける関係性が構築できているので、気持ちよく仕事ができます。また、忙しい時にママさん同士でオンラインでコミュニケーションを取り合って課題を解決してくれるので有難いですね。
課題というか対策なんですが、子どもの急な体調不良は想定されるので、ひとりではなく複数人で業務を請け負いながら休みやすい体制は作らないといけないなと思います。
ー子育て中のママメンバーはどのような働き方をしているのでしょうか
弊社従業員の2名は、9時から17時や17時半まで勤務しています。ひとりはフルリモートでもうひとりは出勤とリモートのハイブリッドで働いています。
シンプルメーカーさんからきて頂いている方は8時半や9時から業務をスタートして14時や15時までの方が多いです。それぞれの生活スタイルがあるので、その人に合った働く環境を提供しています。
ー五十嵐様が働くにあたって大切にしていることはありますか
フルリモートでの仕事なので、コミュニケーションは大切にしています。毎日、オンラインで朝会をしているのですが、お互いの顔を見ながら和やかな話し合いができていますね。
また、感謝の言葉はなるべく伝えられるように意識しています。
中小企業を助ける存在でありたい
ー最後に今後の展望を教えてください
今後は提供しているアプリをブラッシュアップしていきながら、中小企業を助ける存在になれればと思っています。特に、スマレジとkintoneを繋げたアプリはニーズが多いと感じているので注力していきたいですね。また、子育てしながら弊社で働いているメンバーは大きな戦力だと思っています。引き続き、会社として事業を大きくしていきながら子育て人材も増やしていきたいです。
大幸パートナーズ株式会社
https://taiko-ptrs.co.jp/
大幸パートナーズ様で働いてるママ社員の中には、自信がない状態で入社された人もいるんだとか。ですが、五十嵐様の感謝の言葉や良好な職場環境のなか、今では本来の力を発揮しながら楽しく仕事ができているそうです。ママ社員同士で課題を解決しているというエピソードからも、良い関係性が伺えました。子育ての大変さを理解し、想定内だと考えてくれる上司がいる職場はとても羨ましいですね。中小企業に寄り添ったサポートをしている五十嵐様の人柄がよくわかるインタビューでした!