在宅勤務・出社勤務を各々が選択できる会社に〜ママのキャリア形成を応援する株式会社オープンワールド様の思い〜

神奈川県横浜市に拠点を持ち、ベビー用品(ベビスマ)や子供服(ボンボンママン)を扱うネットショップの運営を行う株式会社オープンワールド様は、現役子育てママ社員が中心となって活躍する会社。そして、コロナショックを機に在宅勤務を導入されました。今回は、体制づくりとママ社員活躍の背景について、ご自身もママ社員であり人事を担当されている大瀧様にインタビューをさせていただきました。

在宅勤務のためにITツールを導入

ー在宅勤務の導入を検討されたのは、コロナショックがあったためでしょうか?
大瀧様:そうですね。昨年(2020年)の4月に緊急事態宣言が発令され、社員の子どもたちの通う学校・幼稚園・保育園が休校になったことで、対策が必要になりました。その時は、自社から配送をしているため、商品の発送業務に関しては、お仕事が休業になってしまった保育士さんや近隣のショッピングモールの販売員の方に臨時スタッフとして2ヶ月間来ていただいき、休校対応に追われているママ社員は休業という形を取りました。この頃から、今後のことを考えると在宅勤務を導入していかないとママ社員中心の組織としては業務が回らなくなると感じ、準備を進めました。
ー緊急事態宣言下、全社員の休業を許可するという思いきった判断に、代表のママ社員への理解の深さを感じます。
大瀧様:私も小学生の子どもがいるのですが、休校中、それまでの時間割通り「今日はこの単元を終わらせましょう。」という具合で学校から課題が出ていたのです。まだ低学年の子どもが一人で学校にいるように50分間椅子に座って教わっていない課題を勉強していくことは、できるはずもなく…なので、1時間目〜4時間目までを時間割通り勉強するために、子どもと一緒に過ごす必要がありました。2ヶ月くらい私は、まるで学校の先生のようでした。
私は休業させていただけたので良かったですが、ママ友でそういう方は少なく、みんなもうてんやわんやな感じでしたね。
ーその後、在宅勤務導入のためにどのような準備をされましたか?
大瀧様:ZOOM、Microsoft Teams(※1)、LINE WORKSを取り入れ、まず使い慣れていただくために、普段の仕事からそれらのツールを使ってもらい、ドキュメントの共有やWeb会議でのコミュニケーション、チャットでの連絡などができるようにしました。そして、社内にいる時と同様に、在宅時でも共同作業ができるようにしました。勤怠管理はタイムカードからjinjer(※2)というクラウドサービスに変更しました。パソコンは、入社時にノートパソコンを一人に一台支給していました。また、ネット環境は、幸いどの社員も環境が整っていたため問題ありませんでした。
※1:マイクロソフトが開発、提供するコラボレーションプラットフォーム
※2:人事・勤怠管理クラウドサービス

在宅スタッフとのミーティングの様子

ー週3・4日短時間勤務の方が多いとの事ですが、シフト管理はどのように行なっていたのでしょうか?
大瀧様:シフトに関しては、以前からナスカレ(※3) というアプリを使用していたため、そのまま利用できました。全員が各々のシフトを確認できるようになっています。また、弊社には代休・代出制度(お休みを取った分、別日に振替出社できる制度。)がありママ社員が急なお休みも取りやすいようにしています。
みな子育てママのため、お互いがフォロー出来るように、通常から2人以上のチーム制にして、誰かの都合が悪くなっても周りでフォローできる環境を用意しています。
※3:看護師のシフト共有アプリ
ー実際に在宅勤務を導入されていかがでしたでしょうか?今後も続けていかれるのでしょうか?
大瀧様:そうですね。今後も在宅勤務は継続していきます。ただ、普段から気軽にコミュニケーションがとれる関係がチームで築けているかどうかがとても重要なことだと感じています。コミュニケーションを取る機会が減り、孤独を感じてしまうスタッフもいたようです。出社が必要な業務もありますし、コミュニケーションを取る意味でも在宅勤務日数に上限を設けて社員が自己申告で選べるようにしていく予定です。各々のパフォーマンスをどのような環境になっても最大限発揮してほしいと思います。

ママを積極的に採用する理由

ーオープンワールド様がママを積極的に雇用されている理由をお伺いしたいです。
大瀧様:
お客様との共感接点を持つため 
ネットショップは、2010年以降急速に増え続けています。ネットショップの運営を継続していく中で、他店との差別化をどう測っていくかという事が重要になっています。弊社の代表は、そのためにはいかにお客様との共感接点を持っていくかが大切と考えています。そのため、戦略上のお話になってしまうのですが、子ども服やベビー用品を扱うショップを展開する中で、1つの商品に対してよりリアルな情報やお客様のニーズに応えられる情報をお届けしてお客様との共感接点を強固にするために、主には未就学児を育てるママにショップ運営の中心となっていただいています。
そして、もう一つは…
10年ほど前から上記のような背景から子育て中の方を優先的に採用してきました。そうした中で湧き上がってきた思いは、「これだけ優秀なママ達がいるのに、世の中ではなぜ、そのようなママ達が活躍する場がないのだろう…。」という事でした。そして、この社会課題に対して、自社でママを積極的に採用し活躍してもらうことで、子育てママが自分らしく活躍できる世界を目指していくことにしました。
弊社に集まっていただいているママ達のこれまでのご経歴をみても、とても優秀な方が多いのです。出産・育児というターニングポイントでやむなく離職されているとか、時短制度はあってもそれまでと同様のポジションで働くのは難しい職場環境だったり。出産・育児のためにそれまでのキャリアが断絶してしまう、それが本当に社会的課題だと思います。子どもがある程度大きくなるまでは、時間の制約ってどうしてもつきまとうと思います。そんな時間制約がある中でも、ママ達に自分自身が思い描くキャリアに対して少しずつでもいいから着実にスキルと経験値があがるような経験を積ませてあげること。それが今ある、女性がなかなか活躍できない社会に対して意義のあることなのではないかと考えています。

ママが活躍。横浜市新生活様式というコーナーで取材していただきました!

ーママの優秀さって、どんなところでしょう?
大瀧様:そうですね。ネットで検索すると、ママスキルで時間管理スキルだったりコミュニケーション力等々書いてあるのをよく目にしますけど、根本には「責任感がとても強い」という部分があるのではと感じています。何事に対しても、しっかり最後まで向き合う方が多いです。あとは、「奉仕力」のような、相手のために何かしようという気持ちが強いと思います。気遣いが上手だと感じます。

ーはたママproject読者には、家庭と両立できる働き方を模索しているママが多いです。そんな方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
大瀧様:お仕事と家庭の両立のバランスは人それぞれです。みなさん、多くの方が、ご結婚されご出産されるまで、一般的な正規雇用領域の働き方をされてきたことと思います。でも、お子様が産まれ、今まで通りの働き方が出来なくなっている方は多いと思います。それは、何も自分のせいではないです。今までの働き方が単一的な枠組みであり、子育てママは、その枠組みに何とかして合わせざるを得ない立場となっています。そのことが、良いのか悪いのかも人それぞれですが、自分が納得のいく働き方を見つけていって欲しいと思います。何も、今までの単一的な枠組みに何とか自分を合わせていくことだけが全てではないと思います。
また、このコロナ禍で、会社と従業員の在り方自体も変わっていくと思います。それに伴って、今まで以上に働き方の変化も加速化すると思います。その中で、自分が納得のいく働き方を得ていくには、「無理をせず自分らしく頑張れること」を見つけていくことからかと思います。子育てママは、いつでもお子さんのため、家族のために一生懸命です。その一生懸命な気持ちを、少しでも良いので、自分のことに使ってあげて欲しいと思います。

インフォメーション

 ▶株式会社オープンワールド様では、子育て中の方を対象にしたサービスを展開されています!

ベビスマ… ベビー用品の通販サイト

 

ボンボンママン… 子供服、ベビー服のセレクト通販サイト
【楽天市場】ボンボンママン

 

レンフィット【楽天市場】…抱っこ紐の試着レンタルサービス

 

manalea-マナレア-…ミレニアル世代の子育てママにフォーカスして「はたらく」を「ひろげる」サポートメディア

 

ココリンクル(@cocolinkle__045)…地域のコミュニケーションサービス

 

▶横浜市の新生活様式というコーナーでオープンワールド様のオフィスの雰囲気を知ることができます。
https://shinseikatu.city.yokohama.lg.jp/

編集後記

オープンワールド様と弊社シンプルメーカーの出会いは、このメディアを運営し情報発信していたからこそ。事業内容こそ違えど「ママのキャリア継続を応援したい!」代表のその思いは一緒です。はじめてのお打ち合わせの際は、共通の理念にお互い驚いていました。社会課題意識を持ち、やや利益度返しで取り組む運営に不安になることもある中、オープンワールド様との出会いに背中を押していただきました。インタビュー中の大瀧様の言葉に、何度も大きく頷きたくなる場面がありました。
正しい働き方、正しい家庭の形があるワケではないけれど、働くママが出産・育児によって以前とは変化をしいられるのは必然。少子化の中、子どもの成長が社会のためにもなるのなら、ママ達の活躍が正しく評価され安心して子育て期を過ごせる社会になるべき!と改めて感じました。
本インタビューが、在宅勤務の導入等ママの働きやすさを追求され真摯に社会課題に取り組まれるオープンワールド様をより多くの方に知っていただく機会となり、少しでも温かい和が広がっていくと良いなと思います。