子どもって、相手に対して身体的特徴など、感じたまま・見たままをポロっと言いませんか?
親としては頭が真っ白になり、不意打ちすぎて相手へのフォローもろくにできない…ということは、育児中の人なら幾度となくか体験することかもしれません。
今回は、モンテッソーリ教育の先生である杉えみこさんに、子どもに「違い」について伝えるためのアドバイスをいただきました。
✳︎はたママでは以前、杉さんにインタビューをさせていただきました。
杉さんの在宅ママインタビューはこちら→ 前編・後編
この記事はこんな方におすすめ!
「違い」を子どもにどうやって伝えたらいい?
今までは人と自分の違いが気にならなかった息子。けれど5歳になってから
「あの人はなぜ○○なの?」と質問するようになりました。時には、本人に言ってしまい、こっちは冷や汗をかくことも…。
子どもに「違い」を伝えるための良いアドバイスを伺いたいです!
杉さん:子どもは、2歳くらいから周りが見えるようになります。そして4歳くらいになった時に社会性が育つように。だから、自分が今まで気づかなかったことに気づくようになります。
個人差はありますが、これまではお母さんと自分という一対一の付き合いだったのが、一対多数であるということを認識するようになるんです。
私も自分の娘が、高齢に見える女性を「おばあさん」と言ったことがあります。
実際の年齢はわかりませんよね。見た目通りの年齢かもしれませんし、もしかしたらとても若いかもしれません。
なので、こういった時は、私はあきらかにわかる持ち物などで対象の人を伝えます。「青い鞄の人かな」など。
子どもが、見えたものや受け取ったことをそのまま口に出してしまうのはしょうがないことなんです。
「言っちゃダメ!」
と親が口出しするのは避けたいところ…ではありますが、言葉の受け手は傷ついてしまう可能性もありますし、気にせずに言っていいということではないと思います。
例えば、世界にはたくさんの人種がいますよね。肌の色はさまざまです。そういった違いを絵本で教えてあげるのもいいかもしれません。
あとは、”太っている・やせている”という明確な基準は子どもにとってはありません。
気にしてしまうのは、大人の基準で考えているからなんですよね。
大人が過敏になりすぎて、逆にその言葉を言うことを子どもが気にしすぎてもいけないので、難しいところではありますが。
私は、世界にはいろんな人がいるし、生物にも多様性という「違い」があるんだということを子どに伝えていくのが大切だと思っています。
ただ、見たままのこととそのまま言ってしまうのは、大人にとっては都合の悪いことかもしれません。
例えなんですが、
「太い人がいたんだよ」
ということを子どもが話したとします。そういった個人的な特徴については大人になるほど評価の目が入ってしまうことがあります。しかし、誰かが誰かを評価しても良いということはありません。
そういう時は、子どもが落ち着いている時に時間を取って話す時間を作るのはどうでしょうか。
「じゃあ、今日○○ちゃんが話してくれたことについて話してみようか」
と提案してみます。
「太い人や細い人がいるよね。その状態になったのは病気かもしれないし、自分の意思でそうしているのかもしれない。」
そういって相手の気持ちに思いを馳せます。原因を探りたいのではなく、他人に思いを馳せるということが大事だと思うのです。
そのようにして「違い」について話していくようにするのはどうでしょうか。
O山さんだけでなく、ほかのお母様も悩まれているというのをよく聞きますよ!
若い女の人に息子が「おばちゃん」と話しかけて、思わず頭をはたいてしまった、なんてことも(笑)。
レジの女の人に対して、うちのおばあちゃんと同じかな?と子どもが言った場合、
「お店の人ね。」
と言い換えてあげてみるのはどうでしょうか。
別に隠す必要はありません。だって、本当の年齢は見た目ではわかりませんから、けれど、言われた人は傷つくかもしれませんよね。だからこそ、大人が冷静にフォローする必要があります。
子どもと会話している中でサラッと、いろいろな人がこの世界には生きているということを伝えていくと良いのではないでしょうか。
子どもは偏見がないからこそ、自分が見た通りに指摘してしまうのは当然のことなんです。だからこそ、いろいろな世界があることに触れて欲しい。
偏見を持たずにいろいろなことを説明してみましょう。
それは、親子共々落ち着いて過ごしている時がいいかなと思います。
杉さんの在宅ママインタビューはこちら→ 前編・後編
【杉さんの教室URL】
アドバイスを伺って…
繰り返すうちに、子ども自身によって「違い」はあるものということがわかるようになってきたようで、思ったことをすぐに口に出すことが減った気もします。
大人の基準で判断せず、子どもと一緒にいろいろな世界に触れて、冷静に説明するよう心がけたい!と思いました。