SNSで多くのフォロワーを持つ「インフルエンサー」の影響力を活用した、インフルエンサーマーケティング。ここ数年で、仕事としてのインフルエンサーへの注目度も上がっています。そこで今回、インフルエンサーマーケティングを手掛けるリデル株式会社(https://liddell.tokyo/)さんよりご紹介いただいた、パパインフルエンサー・fathertelesa(ファザーテレサ)さんにインタビュー。インフルエンサーとして活動を始めたきっかけや、そのライフスタイルについて語ってもらいました。
✴︎こちらの取材は2021年11月8日に行いました。
会社員兼パパインフルエンサー
お子さんの年齢:6歳、4歳、2歳
居住地:東京都
パパインフルエンサーとして認知されるまで
―現在はどんな働き方をされていますか?
正社員として勤務する傍ら、ご依頼をいただいてインフルエンサーとしても活動しています。
会社員としては、週のうち3~4日は在宅で働いています。コロナがもっとひどかった時はフルリモートに近かったのですが、最近は少しずつメンバーとも顔合わせて仕事をするようになりました。
―インフルエンサーとして活動を始めた経緯を教えてください。
どれだけ影響力を与えられているか分かりませんが、インスタグラムを始めて、そこから徐々に認知をされて、インフルエンサーと呼ばれるような立場になっているのかと思います。
インスタグラムを始めたきっかけは、第1子が生まれたことです。妻も産後約3カ月で仕事復帰し、共働きの中で子育てをしなければいけない状況になったんですね。ですが、僕がマインドを変えられず、これまでと同じように仕事中心の働き方をしていました。普通に23時ぐらいまで働いたり、週2~3回は会食をしたり、朝から晩まで家にいないような状態だったんです。
ですから、妻がいわゆるワンオペ育児みたいな状態で、夫婦間もギクシャクしてきて……。さすがにこのままだとまずいなと思って、子育てに楽しく関われるきっかけとしてインスタグラムを始めました。
毎日インスタグラムで発信しようと思うと、子どもをよく見ていないとネタがないんですよね。見た情報をどういう切り口で伝えるかということも考えなければいけないですし。そういうことをしているうちに、だんだんと子育てが楽しくなってきました。かつ、夫婦間のギクシャクも解消されてきて、仲良くやれるようになってきたんです。
子育てに関わるようになると、今度は寝かしつけがすごく大変!と思うようになりました。最初の子どもで、僕も妻もどうしたらいいか分からないまま手探り状態でやっていましたが、次の日に大きな仕事があると、なかなか心が落ち着かない。寝かしつけをもっとうまくやりたいなというのと、同じ悩みを持っている親が世の中には多いのではと考え、「寝かしつけ仮面」というのをインスタグラムでやったんですね。
紙おむつをかぶって、エアで子どもをあやすという……まじまじと見られるとちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。これが皆さんに認知いただくきっかけとなり、フォロワーが増えていきました。これで寝かしつけがうまくいくわけではないんですけど、僕なりの発信の仕方ですね。
―笑えて心が軽くなりますね。
そう思っていただけるとありがたいですね。そんなふうに、子育てを楽しんでいる様子や子育ての「あるあるネタ」を日々アップしているうちに、リデルさんから声をかけていただき、企業のPR案件に関わるようになりました。
―どんな分野のインフルエンサーなんですか?
fathertelesaというアカウント名でやっていまして、父親として子育てに参画をして、それが楽しいということをインフルエンスするのがアカウントの軸ですね。
―その中で企業さんの PR もされているんですね?
はい。たとえば、おもちゃメーカーが発売した流しそうめんセットで家族一緒にワイワイ楽しんでいる様子を動画で発信したり、子ども向けのイベントの内覧会に行かせていただき、その楽しみ方を発信したり、といったことをしてきました。
―fathertelesaさんにぴったりの案件があるときに、リデルさんから声がかかるということでしょうか。
そうですね。子どもと父親が一緒に楽しめる商品やサービスの案件があれば、声をかけていただいているのかなと思います。そういえば、2019年にリデルさんが主宰するIAJ(インフルエンサーアワードジャパン)にノミネートしていただいたこともあります。
https://lp.spirit-japan.com/iaj/2019/
―どれくらいの頻度でPRの案件に関わっていらっしゃるんですか?
多くて月に3~4回ですね。もっとやっている方もいらっしゃるでしょうが、僕の場合は、本業もありますから。
パパインフルエンサーと会社員 両立の仕方は?
―インフルエンサーとして認知され始めて、ご自分の中で何か変化はありましたか?
子育てに対する向き合い方は変わりましたね。リアルでお付き合いがある人もこのアカウントの存在に気づいて、フォローをしてくださっています。しっかり子育てに関わっているお父さんという目で見られるので……まぁ実際のところはいろいろありますけど(笑)。そういう外の目線もありますし、子どものおもしろいことを引き出そうと思うと、家族への関わり方も深くなっていきます。だから3人も子どもを作れたのかな(笑)。
―会社員だけの生活だったら、こんなふうに子育てに関わっていなかった?
そうだと思います。
―インフルエンサーとして発信していることに対して、ご家族の反応はいかがですか?
妻はすごく応援してくれています。ファンの一人だと僕は信じております(笑)。
―インフルエンサーとしての活動と会社員という2つの軸があることが、キャリアに影響していますか?
インフルエンサーとしてやっていることが、本業にも生きているのは確かです。会社員としての仕事は、官公庁から事業を受託して日本企業の海外展開の支援などをしています。その中でコンシューマー向けにPR をしたり、イベントを企画したりすることもあります。そういうときに、情報発信の仕方やインスタグラムの運用など、どうメッセージを伝えるかということに関しては、インフルエンサーとしての活動が下敷きになっています。
―育児と仕事の両立で工夫していることは何かありますか?
妻との役割分担ですね。お互いに繁忙期があるので、そういうときは残業ができるような環境をつくって、お互いが仕事においてもパフォーマンスが発揮できるように調整をしています。あとは在宅勤務の環境を積極的に活用していますね。17時半に保育園にお迎えに行って、子どもが寝静まった21時半くらいからもう1回パソコンを立ち上げて仕事するとか。僕の場合、かなりフレキシブルに仕事ができる環境なので、時間の使い方の工夫をしています。
―パパインフルエンサーとしての今後の目標について教えてください。
子育てに楽しみながら関われるパパが増えて、情報を積極的に発信する人も、もっと増えるといいなと思います。僕は、情報発信に取り組むことによって新しい仕事につながりましたし、一方の切り口からでは見えなかったことが、このインフルエンサーの活動を通じて見えてきました。子育てに積極的に関わることで新たな視点が得られることもあるので、みんなが、とくにお父さんが、ポジティブに子育てに向き合えるようになればいいですね。そういう切り口でこれからも引き続き発信していき、その中でパパ友繋がりもできたらいいなと思います。
はたママ読者へのメッセージ
―最後に、読者へのメッセージをお願いします。
今は、個人がメディアになれる時代で、自分の好きなことや強みをどんどん発信できますし、また、それが仕事になる可能性もあるんです。ですから、好きなことを続けて発信してみたら、何か道が開けるかもしれませんよ。
―続けることが大事なんでしょうか?
そうですね。続けることとポジション取りも大事だと思っています。僕の場合でいうと、今の日本の社会では、男性として子育てに関わるというのは、女性よりはレアじゃないですか。自分がどういう立ち位置で発信するか、しっかりと定めながら続けていけば、いつか誰かの目に留まることもあるでしょう。自分の強みをプロットした時に、競合がいないところはどこだろうと考えて、その中でサービスをつくるなり情報発信をするなり、そういった工夫は有用だと思います。
fathertelesaさんのインスタグラムを拝見してみると、自然体で楽しそう!
忙しい中でも子育てに関わるきっかけとして始めたインスタグラムでが、新たな仕事を生み、本業にもいい影響を与えているとのこと。仕事もプライベートも充実させるための手段としてのインフルエンサーというスタイル。SNSが発達した今の時代だからこその選択肢ですね。