「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念を掲げ、WebサイトやWebサーバへのサイバー攻撃を遮断するサービスを提供している株式会社サイバーセキュリティクラウド。
サイバーセキュリティに対する社会的なニーズが高まる中、事業を拡大しているサイバーセキュリティクラウドですが、社員が仕事とプライベートを両立しやすい環境整備も進んでいます。
今回は、人事部門の責任者でもあり、働くパパ社員でもある人事部 部長 下村 岳さんにコロナ禍で変化していった働き方や、テレワークを通して感じた育児についてお聞きしました。
目次
株式会社サイバーセキュリティクラウドとは
ー御社の事業内容を教えてください
世界中のWebサイトが安全に守られ、誰もが安心して使えるインターネット環境を作りたい。その思いで私たちは、世界有数のサイバー脅威インテリジェンスとAI技術を活用したWebアプリケーションのセキュリティサービスを全世界に向けてサブスクリプションで提供しています。また、日本発のグローバルセキュリティカンパニーとしてサービスを提供できるよう日々取り組んでいます。
➖働きやすい環境づくりのための取り組みは何かありますか?
弊社では、柔軟に働ける環境づくりのため、テレワーク制度やコアタイムを設けないスーパーフレックスタイム制度を導入しています。
育児をしているパパ・ママ社員も多く在籍しているので、社員からは「働きやすくて助かっている」と好評です。
コアタイムを無くすことで自分に合った働き方が実現
➖スーパーフレックスタイム制を導入したのも多様な働き方を促進するためですか?
もともとは、コロナ禍における時差出勤の対策として導入しました。それがきっかけではありますが、コアタイムがないスーパーフレックスタイム制は、テレワーク時においても一人ひとりのライフスタイルに合った柔軟な働き方を実現できる良い制度だと考えています。
出勤・退勤の時間を社員個々人のワークスタイル・ライフスタイルに合わせて柔軟に設定できるので、社員満足度の側面からはもちろんですが、業務の生産性の面からも良い効果をもたらしてくれていると思います。
共同作業はオフィスで行い、個人作業はテレワークで
➖テレワーク中心の働き方になり、社内の変化はありましたか?
全面的なテレワーク導入に踏み切ってから、弊社では対面が適した面談や共同作業が必要な時はオフィスを活用し、個人作業はテレワークを含めた個人にとって最良な場所を選択する方針にしました。
個人的にも、オフィスで個人作業をしていると職種柄話しかけられることが多いので、その度に仕事が中断していました。集中する時間を確保するという面ではテレワークは良い選択肢だと思います。
逆に採用面接やじっくり対話したいミーティングなどは、互いの感情が伝わりやすい対面でのコミュニケーションが適した場合もあるので、オフィスも引き続き有効に活用していく予定です。
➖テレワークでの社員間のコミュニケーションはどうしていましたか
積極的に採用活動を行い新しい社員も増え、組織が拡大していますが、テレワークでは社員同士が気軽に声を掛け合うことが難しくなったという声が出てきました。そこで、気軽に雑談できるバーチャルオフィスツールを導入しました。導入後は、バーチャルオフィス上で雑談の他に、部署内のカジュアルミーティングを行う人もいます。対面で直接話すことも重要ですが、このようなツールも上手く使い分けています。
また、社員間の業務外でのコミュニケーションが活性化するための施策にも力を入れています。例えば、社内部活支援制度をスタートさせました。オンラインゲーム部やヨガ部、フィットネス部などユニークな部活も多く、活動費用を会社が補助してバックアップしています。
ー5月に本社を移転したそうですね
恵比寿から目黒に本社を移転しました。社員数が増え、事業も拡大しているので以前のオフィスより約3.5倍の広さへ拡張しました。現在の働き方に合わせて、フリーアドレス制を導入し、ABW(Activity Based Working)の考え方に基づいた様々なエリアを設けて、オフィス内でも多様な働き方を実現できるように工夫しています。
下村さんのキャリアや現在の働き方について
ーサイバーセキュリティクラウドに入社したきっかけを教えてください
大学卒業後は大手電機メーカーに入社し、一貫して人事業務に携わってきました。その後、人事の幅を広げたいと思い、コンサルティングファームで組織・人事領域のコンサルティングに従事しました。
弊社に入社したのは2019年9月です。社会的なニーズが高まっているサイバーセキュリティ領域において世界規模でサービスを展開しようとしていて、その実現に人事として貢献したいと思ったのがきっかけです。
ー現在の働き方はテレワークですか
今は週2〜3回テレワークで勤務しています。社内でテレワーク勤務が広がったのはコロナがきっかけではありますが、コロナ前から弊社では電子化の推進や週1回程度を目安にテレワークを試験的に導入しているところでした。先行して動き出していたこともあり、2020年6月頃には、オンラインでの業務を完結できる環境を整備することができました。
現在は個人作業に集中したいときはテレワークで勤務し、対面でのやり取りが適したミーティングや面談を行うときはオフィスへ出社するようにしています。テレワークとオフィスワークを上手く使い分けることで、生産性が上がったと感じています。
ーお二人のお子さんがいるということですが、育休はとられましたか?
妻が育休を取ってくれたので私自身は取りませんでしたが、テレワークの合間に育児に参加する時間は増えました。テレワークを行う日の朝は、まずは上の子どもを保育園へ送り、家事をして、下の子どもと遊んでから、10時頃から仕事を開始するようにしています。
また、子どもに関するイレギュラーな事が起きても、事前に社内で状況を共有し、中抜けして対応できる環境なので助かっています。
直近では、半年の育休を取得した他の男性社員もいて、5月末に復職したばかりです。会社としても、社員には仕事と同じくらいプライベートも充実させてほしいという思いがあるので、利用する男性社員はこれから増えていってほしいです。
子どもの状況がわかるテレワークで育児参加がしやすくなった
ー家事の分担などは夫婦で話し合っていますか
主に、子どもの保育園の送り、食器洗いや洗濯物の片付けなどは私がやっています。週末に自宅で食事をするときは料理も担当しています。
とはいえ、子どもは緊急事態的な事がよく起きるので、分担したことにとらわれず柔軟に対応しながら夫婦でサポートし合っている感じです。
ーテレワークになったことで、育児が身近に感じたと思いますか
毎日出社の勤務スタイルだと、平日の育児の状況が掴みづらかった部分はありました。
テレワークになり、育児の大変さがより理解できるようになりましたね。
会社から帰ってきて状況がよくわからないままで対応に困るケースがありますが、テレワークはその時の状況を把握できるので育児参加はしやすいです。必要なサポートを積極的に提供しようという思いが一層強くなりました。
下村さんの今後の目標
ー今後目指すべき姿はありますか
コロナ禍をきっかけに、仕事とプライベートの位置づけや繋がりを再考する方も増えているのではないかと思います。弊社としても、従来までの価値観やスタイルに囚われず、会社・社員双方にとっての最適なバランスを模索しながら、より良い働き方や職場環境が実現できるように取り組んでいきたいです。
人事としても、テレワークが普及したことによって会社全体の状況が掴みづらかったり、他の社員との関係性を構築しづらかったりする部分はどうしてもあります。個人を尊重した働き方とのバランスをとりつつ、社員間の関係性が深められるような施策も今後は企画していきたいですね。
私個人としては、育児に関して、会社の制度・サポートを上手く活用しながらこれからも積極的に関わっていきたいと思います。
編集後記
コロナウイルスの流行で多くの企業がテレワークを導入し、オフィスの縮小を行うところも少なくありません。ですが、サイバーセキュリティクラウドは事業もオフィスも拡大しながら、自分らしい働き方ができる環境づくりを行っている点がとても魅力的だなと思いました。以前はオフィスワークが多かった下村さんも、テレワークで平日も家にいることで育児の現状がわかり、以前より育児への意識が高まったと言います。コロナ禍による新たな働き方は、育児中の人にとってより良い環境づくりのきっかけになったのかもしれません。
担当業務:人事
お子さんの年齢:3歳・0歳6カ月
居住地:千葉県