八楽株式会社は「グローバルコミュニケーションを楽しく。」をミッションに掲げ、多様な文化、考え方、言語を尊重し、そのコミュニケーションを楽しくすることで、グローバルに活躍している人々を応援する企業。
メンバーはアメリカ、タイ、インドなどの海外をはじめ、国内(東京・大阪・奈良・高知・その他)から、場所や時間にとらわれず働いています。約6割が外国人であるほかにワーキングマザーも多く、多様な人材が異なる分野の知識・経験・価値観を持ち寄ることで、新しい発想が生まれ、開発・サービス力向上へと繋がっているそうです。
今回は、同社で働くPR・マーケティング担当の鈴木 未紗さんにジョブチェンジのきっかけや仕事への想いを伺いました。
目次
鈴木さんが八楽で働くまで
➖前職で育児休暇を取得されたのですよね?
現在の会社ではありませんが、新卒採用で勤めていた会社(前々職)で2度取得しています。
➖取得されてどう感じられましたか?
第一子約9か月、第二子約2年と育産休を2度取得。第一子のときは復帰しなくてはいけないという焦りのようなものを常に感じていたと思います。第二子は元々1年6か月で復帰する予定だったのですが、主人の単身赴任の関係でぎりぎり2年にまで延長してもらいました。
この延長ができなければ働き続けるという選択肢を選べなかったかもしれなかったですね。非常に感謝しています。
➖復帰後に苦労したことを教えてください。
前々職で新しいシステムが導入されていたり、人が異動したりやめていたりと変化が多かったのです。新卒で入った時のように誰かが新システムや人事に関して教えてくれるといった研修はなく、通常業務にいきなり戻っていくのでつらかった覚えがありますね。業務をこなしつつも、変化を自分で掴んでいかなくてはついていけない状況でした。
また時短での勤務となり、早く帰らせてもらうようにはなったものの…パートさんや他の社員さんたちに残った仕事もお願いして帰ることも多くなり申し訳なさを感じました。
➖そういう経緯があって、ジョブチェンジをしようと思ったのですね?どうしてでしょうか?
新卒で総合職としてスタートし、新規事業開発室や販促企画、婦人下着のデザイン開発、中国での生産管理など、海外出張や海外との取引もあるような中、楽しく、そしてバリバリ(笑)?働いていました。しかし、妊娠をきっかけに暗黙の了解のように一般職への転換を迫られました。その当時は男性が中心でしたし、総合職で残っている女性はほぼ未婚でしたから。
時短勤務に変えた時点で売り場へ配置されました。自分で企画し自分で動くことを楽しいと思えていて、職場に対する不満は徐々に募っていきました。2人の子どもを育児しながら戻りましたけど、当時の上司から、
「戻ってきたとしても…難しいと思う。」
と発言されました。夫婦共に両親が近くに住んでおらず、私の状況をわかっておっしゃってくれたのはわかりましたが、とてもショックでしたね。
そこから大きな決断であるジョブチェンジに至ったのは2015年。前職HRテックベンチャーにジョインしたときです。
前々職では、キャリアを続けたいと望みつつも、自身のやりたいことができない環境にストレスが溜まっていました。また、土日勤務の職場であったこと、何より、仕事に対して楽しくなくなっていて…。主人の単身赴任を経て自分で仕事も家庭も回せる状況に身を置きたいと思い、新卒から9年働き続けた職場を離れる決断をしました。
HRテックベンチャーでは事務職として配属され2ヶ月ほど経った時、申し訳ないのですが、つまらないなと思ったのです。ベンチャーなので、ありとあらゆるチャレンジができると思っていましたから。
そこで、後のCEOに自分の想いを正直に伝えたところ、
「じゃあ、別なことをやろうよ!」
と提案してくださいました。私が大学時代に編集ライター養成講座を卒業しているというだけで、前職CEOは「マーケティングの立ち上げを一緒にやろう」と声をかけてくださったのです。「鈴木さんは文章上手だから」といつの間にか広報も担うようになりました(笑)。
でも前職のCEOがいなければ今の私はいません。ありがたい限りですね。
こちらでの勤務は長く、今年の1月まで在籍していました。並行して八楽では元々業務委託契約をしていたのですが、2月から正式にジョインしました。私は産休・育休以外のブランク期間はありません。
➖現在、担当されている業務内容を教えてください。
PR・マーケティングを担当しています。
プレスリリースの作成、配信、メディアリレーション等のPR、また広告設定・運用、SEO記事企画・執筆、サイト分析・改善等のマーケティングも担当しています。
会社の子育て制度について
➖育児休暇以外に、子育てに伴い取得した会社の制度等がございましたら教えてください。
・短時間正社員
・スーパーフレックス(コアタイムなし)
フルリモートなので基本的に子どもたちに「お帰りなさい」が言える環境です。また、個人懇談や参観など、中抜けして戻っても、その分どこかで調整できる場合にはわざわざ休みを取る必要はありません。
➖利用しなかったが、良いと感じている会社の制度等はありますか?
・海外リモートワーク−日本の正社員(時短社員含む)は、正社員契約した翌年以降、年に1ヶ月まで海外でのリモート勤務ができます。
いつかこの制度を利用して、子どもたちと留学にいって現地から仕事する、なんていうことができたらいいなと思っています。
鈴木さんの勤務スタイル、今後の目標
➖現在の働き方のメリットと課題について教えてください。
フルリモートフルフレックスですね。仕事と子育ての両立ができていることが一番のメリットです。
新たなチャレンジがしたく、就職活動をしていた時、様々な条件を元に取捨選択しますよね。そういうことを通して、私が一番譲れない条件がリモートワークであることでした。子どもの近くにいたい、寄り添える環境が良いと思っているのだなと再認識しましたね。
今は自分が思い描いていた働き方ができているのでとても嬉しいですし、感謝しています。
課題としては、出社しているとお迎えや子どもの帰る時間に合わせて否応が無しに退勤することになるかと思うのですが、在宅だと終業時間が終わってもメールが見えてしまい、作業ができてしまいます。特にPRとして記者さんや編集者さんとのやりとりで日が迫っていると、ついつい時間を超えてしまうことも…。
➖働く姿を見てお子さん達は何とおっしゃいますか?
私が本業と副業、そして勉強している姿を見て、
「将来は3つ仕事するの!」
なんて話してくれることも。職業は1つ、と制限された考え方ではないので、親として嬉しいですね。
➖今後のご自身のキャリアをどのようにしたいと考えていらっしゃいますか。
昨年ウェブ解析士協会の上級ウェブ解析士、初級SNSマネージャーを取得しました。今年は全日本SEO協会のSEO検定にチャレンジしています(2022年7月3級取得)。マーケティングもPRも幅が広く、学びたい、学ぶべきことがたくさんあるので、スキル向上につなげるべく、学習を続けていきたいですね。あと、弊社には外国籍のメンバーも多数在籍しているので、英語の勉強も生活に取り入れています。
またベンチャーのいいところはチャレンジできるところ。メディアの勉強会を開催したい、調査リリースを出したいと計画したところ、現職の八楽では社長が相談に乗ってくれ一緒に考えてくれました。会社のためになることを自身が考え企画し行動でき、そして学び続けることができる環境を大いに楽しんでいきたいです!
八楽株式会社について〜「グローバルコミュニケーションを楽しく。」がミッション〜
➖御社の事業内容を教えてください。
八楽は「グローバルコミュニケーションを楽しく。」をミッションに掲げ、多様な文化、考え方、言語を尊重し、そのコミュニケーションを楽しくすることで、グローバルに活躍している人々を応援しています。AI自動翻訳プラットフォーム“ヤラクゼン”の企画・開発・運用を通じて、翻訳業務の効率化と翻訳品質の向上、翻訳チームのナレッジ共有を支援。ソニーや帝人、コニカミノルタなどの大手企業を含め、延べ1000社以上に導入されています。
メンバーは海外、日本各地と、みんな場所や時間にとらわれず働いています。約6割が外国人であるほかにワーキングマザーも多く、多様な人材が異なる分野の知識・経験・価値観を持ち寄ることで、新しい発想が生まれ、開発・サービス力向上へと繋がっています。
・ヤラクゼン
ヤラクゼンは、翻訳から編集・共有、翻訳会社への発注までを一つにするAI翻訳プラットフォームです。誰でも直感的に使えるシンプルなインターフェイスと、AIにより使えば使うほどパーソナライズされる高品質の機械翻訳、強固なセキュリティが特徴です。開発には立教大学教授でAI翻訳研究の第一人者である山田優が、チーフ・エバンジェリストとして参画しています。
・AI研究開発
ヤラクゼン及び機械翻訳エンジン開発で培ったノウハウ・リソースを活用し、人工知能関連の研究開発を行っています。 自然言語処理に関連した言語系プロジェクトから、ディープラーニングやニューラルネットワークを活用した様々なプロジェクトに取り組んでいます。
主なプロジェクト:
・ 用途(業界)特化型の機械翻訳エンジンの開発
・ 自然言語処理によるテキスト正規化、エラー検出、要約など
・ 画像/音声認識の研究開発
・ 機械学習による自動分類、価格最適化、シミュレーションなど
八楽株式会社の働きやすい環境への取り組みや感じている課題
➖働きやすい環境への取り組み、それに対する社内での反応、また、現在感じている課題がありましたら教えてください。
短時間正社員の制度の導入― 短時間正社員の制度を導入し、1日の労働時間を6時間とし、さらにスーパーフレックス制を導入することで、コアタイムを廃止しました。
柔軟なワークスケジュールの設定― Google CalendarやSlackでの全員のワークスケジュールの共有を徹底し、それにより、各スタッフが自分で労働時間を変更や休暇の設定をできるようにしました。
フルリモートワークの導入― フルリモートワークを導入し、各スタッフのライフスタイルに合わせて仕事と家庭の両立ができるようにしました。
数年前までは、社内では、特に、管理職の中では、短時間社員やフルリモートワークに対して生産性が保てるか懐疑的でした。ですが、あるとき、セールスチームに10年以上のブランクのある主婦の方が営業事務のアシスタントとしてパートタイムで採用され、彼女がとても効率的に生産的に働いてくださり、短時間でしか働けない主婦であっても、ブランクがある方であっても、スキルのある方は柔軟な働き方のできる環境さえ用意されれば、それまでいた正社員スタッフと同等、もしくはそれ以上にパフォーマンスが出せることが分かりました。その後、主婦の方の積極採用が始まり、その方たちのライフスタイルに合わせられるように短時間正社員制度の導入、リモートワークの導入につながりました。働く時間や場所が固定されていなくても、各スタッフが会社のルールを理解し、個人に働き方の裁量が与えられることで、スタッフが自分のスキルを十分に生かし、パフォーマンスがあげられることが分かったことで、主婦の活躍だけでなく、海外在住スタッフの積極採用にもつながりました。現在、弊社では様々なバックグラウンドのある社員が活躍しておりますが、主婦の積極採用とそれに伴う社内環境の整備が、大きなきっかけになったのだと感じています。
まだスタッフ数の少ない会社なので、タスクのシェアに課題があります。まだまだ、仕事が属人的に動いている側面があり、担当スタッフの仕事をほかのスタッフがカバーできないことがあります。タスクシェアのシステムを整備し、担当スタッフが全く仕事に関わらず1カ月くらい休暇をとっても大丈夫なワークフローを作りたいと思っています。
編集後記
毎日育児に向き合いながら、仕事に向き合い、空いている時間は勉強と、同じワーママとして、眩しすぎました…。一生懸命打ち込める状況を、鈴木さんは自ら発言して作り出されていました。考えを思い切って言ってみることで未来が変化するのなら、恐れず発言してみよう! と心が奮い立ちました!
職種 PR・マーケティング担当
お子さんの年齢11歳(小学校5年生)8歳(小学校3年生)
居住地 大阪府