不動産テック企業の株式会社Robot Homeでは、子育て期の女性が多いことから、家族の体調不良など突発的なことにも対応しやすい柔軟な働き方を取り入れています。入木さんと茅野さん、お2人のママワーカーに子育てしながらの働き方について、そして、人事部の久保田さんに同社の働きやすい制度についてお聞きしました。
職業:会社員(2014年入社)
お子さんの年齢:1歳
居住地:福岡県
テレワークを取り入れて柔軟に働きながら見出す私の道
―お2人は産休育休を取られましたか?
入木さん:2017年と2020年に、それぞれ約1年間取得しました。ガラッと変わってしまった生活サイクルに慣れるためにも、身体の回復のためにもよかったです。2回目の取得の際は少し気持ち的にも余裕があったので、育児の隙間時間に資格の勉強にも取り組めました。
―育児しながら勉強もなんて、すごいですね。
入木さん:第一子の育休時は、仕事に関することは何もしていなかったので、復帰してから感覚を取り戻すのに苦労したんです。ですから、第二子の時は、少しでも仕事に関することにも携わって、復帰しやすいよう心がけていました。仕事復帰してからだとなおさら時間がなくなるので、育休中に資格を取ると決めて集中して取り組みました。幸いよく昼寝をしてくれる子だったので、勉強時間を確保できました。
茅野さん:私も約1年間育休を取得しました。子どもの日々の成長を見ることができて幸せを感じました。しっかりと休みをとれたので、復帰するにあたり、心の準備もできました。育休中に業務をしてくれている課員に感謝しています。 ―初めてのお子さんということで、復帰してからバタバタしなかったですか?
―初めてのお子さんということで、復帰してからバタバタしなかったですか?
茅野さん:今まさにしているところです。簡単なところで言うと、パソコンの操作に時間がかかったり、すぐ言葉が出てこなかったり……ブランクをひしひしと感じております。
―他に復帰後に苦労したことはありますか?
茅野さん:「保育園の洗礼」とよく言いますが、復帰してこの2ヵ月間(取材時)、毎週のように子どもの体調不良で仕事をお休まなければならないことがあり、スケジュール調整に苦労しています。
入木さん:私も、1回目は保育園からの急な呼び出しや子どもの体調不良で思うように出勤できない日が多々あり、業務も溜まっていく一方でした。また、当時は役職があり、自分が休むことで滞る案件もあり、産休前のように仕事ができないことに落ち込むことが多かったです。できないことばかりに意識が向いてしまった感じです。育休中に変化していた社内ルール等もあり、以前の感覚を取り戻すまでに1年ほどかかったような気がします。限られた時間の中でなかなか成果を出せず、1回目の復帰に関しては反省することばかりでした。
2回目は、前回の経験があったため、一から新人のような気持ちでやってみようと気負わずに復帰できた気がします。やはり2回目も子どもの体調不良で思うように出勤できないことがありますが、できる時にできることをするという気持ちであまり抱え込むことはなくなりました。ただ、同僚に負担が増えてしまうことは申し訳なく感じており、いつも周りの方に助けられていて本当に感謝しています。
―リモートワークはどのように取り入れていますか?
茅野さん:基本的には出社で、子どもの急な体調不良などで出勤ができない時に取り入れています。
―お子さんを見ながら家で仕事するのは大変ではないですか?
茅野さん:そうですね。まだ言って理解できる年齢でないのでかなり大変ではありますが、お昼寝の時間に集中して仕事をしたり、おもちゃでなんとか気を引かせたりしています。
出社するよりは円滑には進まないものの、少なくとも急ぎの仕事には対応できます。大幅に業務のスケジュールが乱れることはないので、リモートワークができてすごく助かっています。
入木さん:私も子どもの体調不良で預け先がなかったり、上の子の幼稚園で預かりがなかったりという時に在宅に切り替えています。状況に応じて、休むという選択肢だけでなく、リモートワークも選択できるので働きやすいです。
リモートワークの日は、朝から子どもの機嫌がいいように感じます。仕事中は子どもの相手ができないのでその点は申し訳ないですが。また、通勤時間を考えなくていいので時間に追われることがなく、自分の心にも少し余裕がありますね。
―お2人ともリモートワークを取り入れながら、柔軟に働ける環境なんですね。ただ、ママの方が休みを取りやすいと、子どもに何かあった時の対応がママの方に偏るということはありませんか?
茅野さん:夫もいろいろと協力はしてくれますが、子どもの体調不良の時には、私の方にしわ寄せが行きがちなところは正直ありますね。
入木さん:我が家は割と半々です。1人が体調不良になるともう1人の迎えはどうする?となるので。この日は私が休む日から、この日はお願いねと夫と話し合って決めています。夫は在宅勤務が可能なので 私の方が助かっています。
―今後のご自身のキャリアをどのように考えていらっしゃいますか。
入木さん:入社~1回目の産休・育休取得までの間にキャリアアップの経験を積んできましたが、今は仕事を長く続けていくことが目標です。どうしても子どもの事情に合わせることが多く、現在は自身のキャリアアップというよりは、今の自分にできることをしてスキルアップをしていきたいと考えています。先のことはわかりませんが、状況次第でまた考え方も変わってくるかもしれません。どんな状況でもその時の自分にできる最大限のことをするという姿勢で仕事とは向き合っていきたいと思います。
茅野さん:家庭と仕事をうまく両立させて、子どもがいるからと何か諦めることなく今まで以上にいろいろなことにチャレンジしていきたいです。
久保田さん:頑張っている方向はお2人それぞれ。ロールモデルとなる方が今後もっと増えていくことを期待しています。ライフステージが変わっていく中で自分がどういう方向に進むべきか迷う時期もあるでしょう。そんなとき、お2人をはじめとする多様なロールモデルを見て、こんなふうに進んで行けばいいんだと自信に変えていってくれたらと思います。
社員の声を聞いて、良いものはスピード感をもって取り入れる
―御社の業務内容について教えてください。
久保田さん:賃貸不動産に関する管理を行うのが主な事業です。不動産オーナーさんや賃貸物件の入居者さんに対して密な連携や情報提供が必要ですが、男性はなかなかその辺りの融通が利く人が少ない(笑)。細やかな気配りができるという人が多いという点で、女性に向いている業務内容だと思います。
実際、男女比が45%:55%で、平均年齢が34歳と子育て期の女性が多い会社です。産休育休を取得して、長期的に働いてもらいたいと考えています。
―長く働いてもらうために工夫していることはありますか?
久保田さん:フレックスタイムやリモートワークが可能です。顧客の個人情報を扱う部署は難しい部分もありますが、住環境やご家族の状況に合わせて柔軟に取り入れています。
看護休暇も、子育て中の社員から助かるという声をもらっています。制度上、取得できる日数に制限はあるのですが、例えば、お子さんの入院などで長く休まないといけないといった場合には相談に応じます。
―柔軟に対応してもらえるから皆さんも安心して働けますね
久保田さん:変化のスピードが早い会社です。社員の声を聞いて、良いものはどんどん取り入れていこうというスタンスです。
パパ社員より、ママへの質問
最後に、取材に立ち会ってくださった、営業の窪さん(3児のパパ)より、こんな質問がありました。
窪さん:妻に一人時間をつくってあげるのに、パパが子どもを連れて外出して家で一人で過ごしてもらうのか、それともパパが家にいて子どもの世話をしているから外出しておいでというのと、どっちがいいですか?
はたママ編集部U:私は在宅勤務なので、自分が外出したいです。
入木さん:私は前者です。たまった家事をゆっくり一人でしたいです。
茅野さん:私も家でのんびりしたい。
はたママ編集部Y:私も同じです。
窪さん:やっぱり家にいたい人が多いんですね。うちは妻が専業主婦ということもあり、よかれと思って、出かけてきていいよって言い続けてきたんですが、ある日突然「あなたはわかってない!」と言われました……。妻も感謝の気持ちがあり、なかなか言い出せなかったみたいですが、本当は家でテレビを見たり家事をしたりしたかったみたいです。気遣いするのもなかなか難しいですね(笑)
編集後記
子育て期の女性が多いロボットホーム。女性の管理職も珍しくなく、入木さん、茅野さんが働いている両拠点とも、女性が支店長を務めているそうです。また、5児のパパである取締役もいらっしゃって、ファミリーファーストという考えがしっかりと社内に根付いているとのこと。最後に場を和ませてくださった窪さんはじめ、パパ社員の話も聞いてみたくなりました。
職業:会社員(2013年入社)
お子さんの年齢:5歳・2歳
居住地:大阪府