未経験・地方在住でも叶えた、フルリモート時短正社員という理想の働き方~株式会社ライフ&ワークス 小泉真希子さん

「株式会社ライフ&ワークス」は、基幹システムSAPを用いた人事専門のコンサルティング会社「株式会社オデッセイ」の関連会社として設立されました。子育てや介護、家事など、働く時間に制限のある方のための会社です。今回は、専業主婦を経て同社で働く小泉真希子さんにインタビュー。未経験からIT業界に飛び込み、現在はコンサルタントとして活躍しています。

小泉真希子さんのプロフィール

職業:SAP SuccessFactors コンサルタント
お子さんの年齢: 9歳・5歳
居住地: 長野県
勤務形態:正社員/ 時短勤務(6時間/日)・フレックス・フルリモート

未経験、専業主婦歴10年からコンサルタントへ

―入社のきっかけを教えてください。
私の住んでいる地方自治体が企画した、株式会社MAIAのデジタル人材育成講座「SAP女子プロジェクト」に参加し、ライフ&ワークスがSAP女子プロジェクト卒業生向けに 開催した説明会をきっかけに、2024年に4月に入社しました。

―なぜプロジェクトに応募されたのですか?
夫が転勤族だったこともあり、10年間専業主婦をしていました。子どもの手がだんだん離れてきたことと、転勤で引っ越すことはなくなったことから、再就職を考えるようになりました。ですが、そのタイミングでコロナ禍となり、夫も多忙だったため、働きに出るのはハードルが高かったですね。
スキルを身につけて在宅で働ける仕事はないか探していた時に、同プロジェクトを知り、これしかないと応募しました。前職は銀行の営業で、プログラミングは未経験。初めは何をやっているのか、何を言っているのか分からず、ついていくのに必死でした。

―現在はどんな業務を担当されていますか?
SAP人事領域の導入プロジェクトで、設計書作成などのドキュメント整備を行ったり、プログラムが正常に作動するかテストを行っています。最初は呪文にしか見えなかったコードも、何が書いてあるのか読み取れるようになりました。テストをしながらプログラミングの知識も増えていくので、毎日仕事が楽しいです。

リモートワーク中の小泉さん

―入社後に資格も取得されたそうですね。
入社後、2カ月半の研修期間中にSAP認定コンサルタント資格(HCM)を取得しました。苦手な英語での受験だったので、集中してひたすら勉強しました。家族は研修期間中体調管理に気を付けてくれたり、試験日に急に子どもの対応が必要になった場合に備えて予定を調整してくれたりして、ありがたかったですね。資格を取得したことで業務の幅が広がりました。

―現在の働き方のメリットと課題について教えてください。
正社員として子どもの年齢に関係なく時短勤務ができるので、家庭と仕事の両立が無理なくできています。 地方にはITの仕事やフルリモートの仕事が極端に少ないと感じていましたが、フルリモートというスタイルで仕事ができてありがたいです。また、フレックスなので、中抜けして参観日や子どもの通院もできて本当に助かっています。 課題は、運動不足気味になることくらいですね。

充実した研修で地方在住でもスキルを習得

―会社の制度で良かったと思った制度は何でしょうか?
グループ会社の新卒研修にオンラインで参加できたことです。 地方在住のままでも業務内容を習得できました。同じ中途入社組の仲間もでき、互いに高め合いながら知識を深められ、貴重な機会でした。
現在は、社員会など参加のため2カ月に1度くらいの頻度で都内のオフィスに出社しています。社員全員が集まり、業務内容の確認や報告を行っています。メンバーと顔を合わせてやり取りすることで意思疎通がスムーズになり、仕事もやりやすいです。

―仕事を始めたことについて、お子さんはどんな反応ですか?
上の子は、働くお母さんにあこがれがあったようで、応援してくれています。普段は子どもが帰宅する時間までには仕事は終えているのですが、たまに他の日の調整で夕方まで稼働していることもあります。そんな時でも好意的に見守ってくれています。
下の子は、今年から夏休み中は幼稚園に預かってもらうようにしたんです。最初は、なんで夏休みも幼稚園なんだろうって不思議に思っていたようですが、楽しく通っていました。

お子さんとガーデニング

―専業主婦や前職の経験は、今のお仕事にどのように役立っていますか?
銀行員時代は独身ということもあり、全力で朝から晩まで、休日も、お客さまから呼ばれれば仕事をしていました。充実はしていましたが、いつまでこうした働き方ができるかなと思っていたのも事実です。
専業主婦時代は、思い通りにならない子育てに追われてパソコンも開かないような日々でしたが、幼稚園や地域活動を通していろんな出会いがありました。
銀行員時代には集中して全力で仕事に取り組む姿勢、専業主婦時代にはコミュニケーション能力や柔軟な対応力が養われたと思います。

―今後挑戦したい業務はありますか?
未経験でも採用して育ててくださったことに心から感謝しており、早く会社に恩返しがしたいです。ゆくゆくは、システム導入など社外的な仕事にも携われるようになりたいと思っています。

執行役員にお聞きました!株式会社ライフ&ワークスはこんな会社

―御社の事業内容を教えてください。
人事領域における、SAP導入プロジェクトに対するコンサルティング支援を行っています。

―働きやすい環境への取り組み、それに対する社内での反応について教えてください。
弊社は子育てや介護、家事との両立などにより、働く時間に制限のある方のために設立した会社です。ママだけでなくパパもいますし、遠方にいる親の介護で1~2カ月間フルリモート勤務をするというケースもありました。
時短勤務・フルリモート・フレックスを全て活用して、正社員で長く働ける環境を整えたことにより、キャリアも収入もアップして活躍する社員が増えています。 入社時は保育園児だったお子さんが成長し中学に入ったので、本人の希望により時短勤務からフルタイム勤務に変更した社員などフレキシブルな働き方の評判は上々です。

―柔軟な働き方を取り入れていることについて、クライアントの反応はいかがでしょう?
弊社および関連会社のオデッセイは、人事領域専門のITコンサルティングを行っています。お客さまはすべて人事担当の方で、ほかの領域の方に比べて温度感が高いと言ったらいいでしょうか。大手4000社に対して、2023年3月期の有価証券報告書より、人的資本に関する情報開示が義務化されたこともあり、お客さまこそが、従業員満足度につながる柔軟な働き方にアンテナを立てていると感じています。
ですから、時短勤務のため、打ち合わせ時間を調整させてほしいなどの希望は、プロジェクトが始まる段階でお客さまに説明することで、ご理解いただいています。

 ―子育て中の社員にとって会社がどういう場になればよいと考えていらっしゃいますか。
子育て中の親が働くことが、本人はもちろんお子さんにとってもプラスに繋がるような職場にしたいです。お子さんに寂しい思いをさせることなく、家庭と仕事を両立できる環境を整えて、キャリアの継続と安定した収入を実現させる場にすることを目標にしています。

―小泉さんのお話を聞いていかがでしたか?
「ママが仕事している姿はかっこいい」とお子さんが言っているという話を聞いて、とてもうれしく思っています。親が真剣に仕事に取り組む姿が子どもにも伝わっているからでしょう。未経験からIT業界に挑戦し、短期間でキャッチアップして仕事を任せられるようにまでなった努力に頭が下がる思いです。
同じように、弊社に時短勤務で入社し、子どもの成長とともにどんどんスキルアップして現在はマネージャーを務めているメンバーもいます。キャリアもプライベートも諦めない、そういう背中をぜひ追いかけてほしいと期待しています。

柔軟な働き方を整備して、これから

―今後取り組みたいことがありましたら教えてください。
働き方という点では、時短、フルリモート、フレックス、中抜けもOKですし、できることはやったかなと考えております。加えて、今年初めてのチャレンジで、「ファミリーデイ」を開催しました。オフィスにお子さんたちを招待して、ママやパパがどんな会社に所属して働いてるか実際に見てもらおうという試みです。

ファミリーデイの様子

お子さんがこの日のために夏休みの宿題をがんばったという話も耳にしました。ファミリーデイがご家族にいい影響をもたらしているようで、開催してよかったです。参加してくださったご家族の皆さんから好評でしたので、今後も継続していければと思っています。
親が長時間勤務で疲弊している姿を見せてしまうと、子どもも仕事をつらいものと捉えてしまうのではないでしょうか。弊社の仲間たち、特にいま子育て期にある人たちには、お子さんが明るい将来を想像できるような働き方をしてほしいと願っています。

編集後記

ライター・Y田

株式会社ライフ&ワークスでは、時短勤務の方が約7割とのこと(2024年8月現在)。未経験でも、フレキシブルな働き方でも、仕事に真剣に向き合う姿勢があれば、キャリアを積み上げていける点がすばらしいですね。また、執行役員の方と小泉さんのやりとりを見て、社名どおり、社員一人一人のプライベートとキャリアを大切に考えている会社だと感じました。

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